「初夏の岩手と秋田 安家森・大谷地・美里・冬師  2021.06
topへ
「よかったところ」topへ
 この季節(6月)限定で見られる花や、雪解けの進み具合で湿原が枯草色から緑に変わるころ、岩手と秋田の好きなところを巡ります。
 安家森は、中腹にある放牧草原(安家平)と、頂上近くの石原がなす独特の景観が好きで何度も通っている山です。2020年にも麓まで来たのですが、季節が5月で、いつも通って来る道が残雪通行止めのため迂回し、袖山展望台だけ見て戻った経過があります。
 例年ですと6月に行われる葛巻高原牧場まつりとセットで楽しむのですが、昨年と今年は感染防止で中止または延期となっています。
 この草原には牛が寝そべっていることもあるのですが、何年か放牧されていないようです。(牧柵の状態からの判断)牛がいる場合は、草原内を少しドキドキしながら進みますが、居ないのも寂しいものです。
 こちらは参考に、2004年の写真です。頂上のすぐ下までガレ場が広がっていました。また手前の草地奥の方に生えている針葉樹もまだ小さいのがわかります。
 林間や草原にはいろんな花が咲いていますが、例年より種類が少ないような気もします。駐車場から30分ほどで頂上まで登ることが出来ます。
 頂上の手前には草木が生えていない、平べったくてカラカラと音のなる石が積み重なった区域が何か所かあります。崩して転倒しないように気を付けて進みます。
 牧柵を人だけが通り抜けられるように、有刺鉄線と針金で出来た扉があって普段は閉めておくようになっている所がありますが、牛がいないのでどうかなと思いましたが、前の人が閉めておいたので、それに倣いました。
 頂上からは岩手山や姫神山が望めるはずなのですが、この日は西方に雲が多く良く見えませんでした。また以前は袖山の風車の羽根が上の方に回って来た時に時折ぴょんぴょんと見え隠れしていたのですが、風車自体が役目を終えたためか撤去されましたので今は望むことができません。
 帰り道は、これまでは向こうのもう一つの石を積んだようなピークを経由して戻っていましたが、そこに至る途中に生えている針葉樹の背丈と幅が、以前に来た時に比べて大きくなったために、地表面からの視界で判断して、迷わず障害なく通過できるか不安でしたので、立ち寄らずに来た道を戻りました。
 
 空撮動画はこちらからご覧ください
 下の写真は今回撮影、右下は2004年撮影です。自由に歩き回れたあたりに針葉樹が成長してきているのがわかります。
 3D画像でもご覧ください   石カラの上り坂 ↓                           
 

 袖山駐車場にもどり、分水嶺の逆側にある馬淵川源流に向かいます。河口は県境を越えて青森県の八戸市にあります。滑り止めの施されたカラー舗装の斜面を下りて行きます。気温が高くなってきたせいか飲用するには不安がありますので見学だけにしました。近くには「おこもり場」でしょうか、小屋があって中で過ごせるようになっています。
 源流まで伸びる遊歩道 ↓
 
 この日のお宿は、そのまま袖山駐車場です。景色がいいので地元の人でしょうか、キャッチボールをしにきたり、先の源流を訪れる人たちに会いました。駐車場の広さは大型バスでも10台以上は止められそうです。簡易水洗ですがトイレもあります。ケイタイの基地局見通しの関係でしょうか、駐車場内を数メートル移動しただけで電波状況が変わります。
 窓から牧場風景を望みながらビールと食事をいただきます。
 翌朝は袖山高原レストハウスの横を通って、平庭高原に向かいます。放牧牛を見かけましたが、この日は赤べこではなく、ホルスタインです。レストハウスは11時から15時までの営業とのことです。
 これほど見晴らしの良いレストランも少ないと思います。下の写真の中央のあたりに岩手県内では先駆けとなる、3基の400kw風車があったのですが、大型化と耐用年数のせいか、現在は撤去されています。変わりに遠方の上外川(かみそでがわ)地区の風車が望めます。
 平庭高原は白樺林とレンゲツツジがたくさんで、お祭り期間中のようでしたが、まだ誰も来ていなくて熊に注意しながら遊歩道を回ってきました。
 つつじと森の遊歩道を3Dでご覧ください。
 
 道の駅くずまき高原でで朝食にしたあと、リニューアルオープン前の石上の丘美術館に隣接する道の駅にも立ち寄ります。近くに駐屯地があるので、自衛隊の車両を時々見かけるのですが、この日は迷彩色の油圧ショベルとドーザがトレーラーに載っていました。トラックは災害派遣等でよく見かけますが、重機はめずらしいです。
 このトラックをキャンピングカーに架装したら素晴らしいものが出来そうな気がします。
 岩手町から八幡平市に入り、森の湯でお風呂をいただいたり、これまで見学したことが無かった、松尾鉱山資料館を見学します。この後のツアー食糧を調達補充するためになじみのスーパー「松尾日販」に寄りたかったのですが、残念ながら閉店になってしまっていました。鉱山が現役であった頃からの販売組織がなくなり、鉱山の記憶がまた遠のいてしまいました。
 
 八幡平アスピーテラインを越えて秋田側に向かいます。 途中の見返り峠駐車場付近は、近年有名になったドラゴンアイを目指す車で混雑していました。珍しく県境の西側(秋田側)の駐車場にも車を入れていました。
 霧に覆われた峠付近から下って来て晴れ間も見える蒸けの湯にやってきました。
 蒸けの湯には宿泊・内湯のほかに、露天風呂もあって男女別と混浴の計3か所が利用できます。
 今回はこちらではお風呂に入らずに、八幡平頂上に至る登山道の途中にある、大谷地と長沼を目指します。
 このルートで比較的多く見られるキヌガサソウが目立ちますが、サンカヨウも他ではないくらいたくさん咲いています。何組かのパーティとすれ違いましたが、大抵は蒸けの湯からの往復のようでした。 私は一度だけですが、岩手側の茶臼岳に登った後、八幡平頂上を越えてこの長沼経由で蒸けの湯まで歩いたことがあります。少し迷いそうなところもありましたが、山の中を味わうには良いコースでした。

 長沼を周回して空撮した動画がこちらありますのでご覧ください

ここからの3枚はドローン撮影からの切り出しです。長沼はその名の通り南北に長い形をしています。流れ込みは南端にあって、次第に湿原・草原が増えているのがわかります。その畔にはエゾノリュウキンカでしょうか、黄色い花も見えました。この湿原では前回来訪時にはクマが走って逃げるのが見えました。100m以上はあったと思うのですが、向こうが感づいた場合にはうまく逃げてくれます。 

長沼の畔には左写真のように、耐雪荷重設計なのか柱が多くて中に入る気が起こらない東屋があります。

大谷地の畔の遊歩道に戻ってきました。2か所ほど展望デッキ風で谷地側に突き出た木道があります。水芭蕉の花がまだ残っています。でもここからは何やら池が見えるものの全体の状況はつかめません。これは空撮動画で謎が判明しました。多くの池塘が大谷地の北東側には散りばめられているのでした。
 ここからは空撮動画からの切り出しです。
動画はこちらからご覧ください

 
 

左写真で大谷地の中央を左右に(方角では南北)貫いているのは、旧車道のようです。アスピーテラインが開通する前は蒸けの湯に至る車道はここしか無かったのでしょう。谷地に石を大量に放り込んで作られたようです。また写真左よりに上下に一直線にある溝は、想像ですが車道が冠水しないように水抜きするための排水溝のようです。国立公園になる以前の遺構です。

右写真の奥に見えるのは蒸ノ湯です。わかりにくいのですが谷地の右端にも木道が通っていて、右にたどると大沼(ビジターセンターのあたり)に出るようです。
 
他の地域の湿原や池塘にも言えるのですが、登山道の平面上からは何もと言っていいくらい見えません。少し高い位置から俯瞰できるような、例えば八幡平頂上のような展望台を設えても良い気がします。

 旧車道からは間近には見えにくいのですが、大谷地の一面にワタスゲが咲きます。(下写真)手前のレンゲツツジはもう少しで開花しそうです。花の季節とすれば長沼方面のキヌガサソウやサンカヨウと合わせてベストかもしれません。でも個人的には湿原の草があおあお(緑)になってモウセンゴケも出てくる7月の方も好きです。
 後生掛温泉で、名物黒卵を買おうと思ったのですが、この日は夕刻近くで売り切れでした。前回来た時には売店がほとんど無くなっていて、やめてしまったのかと思いきや、食堂も売店もリニューアルオープンしていました。写真は旅館部玄関前に咲くエゾノリュウキンカです。
 次の立ち寄りポイントは玉川温泉遊歩道です。駐車場が16:30前に出庫しなければならないので、すこし速足で歩いて、首筋を痛めているので岩盤浴の真似をします。でもゴザなどを持って来ないとなかなかうまく熱が伝わりません。
 この日のお宿は、玉川ダムです。下流にもキャンプサイトや野球場などがありますが、見晴らしが良いのは管理事務所に近いカリヨンの鐘の下です。こちらのトイレはいつもきれいに保たれています。難点はテレビが地デジもBSも入らないことですが、今回は新兵器でケイタイのテザリングでネット動画のニュース等を見ることが出来ました。
 右下写真は左に90度回転させてご覧ください。高さは100mあり、今回初めて堤頂を対岸まで歩いてみました。
 宝仙湖畔から少し戻って、これまで通ったことの無かった尻高峠を越え、西木町に出ます。田沢湖の西側を南下して、すき家で朝食をいただきます。お店は早朝はワンオペらしく、ドライブスルーもこなして忙しそうです。
 美郷町のラベンダー畑に来ました。大台野広場の一角にあって、オリジナル品種の白い花が咲く「美郷雪華」も咲いていました。
 9時から17時までの開園時間ですが用具を借りなければ無料で駐車場も広く、トイレも何か所か使えますので小さい子もつれてのんびりするのに良さそうです。
 美郷町の中心部にある湧水群に来ました。案内板に従ってあちこち見て回ります。

 お台所清水では、夏の茄子が採れる時期になると隣の民家裏で茄子の漬物をバケツに入れて売っていてこれがとても美味しいのですが、まだ時期が早く残念ながらバケツの囲いがあるだけでGET出来ませんでした。

 見学コースを歩いていると、おじさんがパンフレットをくれて、ウチにも湧水があるからよかったら味わって行ってください、というので見学すると、酒屋のお店の敷地内にきれいに整備された湧き水がありましたので、おいしくいただきました。店の裏口に直結していて、ニテコサイダーを買いました。

 湧水の見学のあとは、7号線沿いの食品スーパーで買い物をしていつもの仁賀保高原で昼食をいただいたあと、冬師集落の奥にある湖沼群を眺めます。奥の方で土煙が上がっているのはモトクロスコースがあって、皆さん集まっておられるようです
 この日のお宿は、ここもなじみで おがち小町の郷 です。隅の方には木立があって向こうの芍薬畑を見ながらビールをいただいて今回のツアーは完了です。